ミュージカル 素人の遠吠え……ワオ〜ン

[etc.02]>>>> 2005/7/11

MOZART!
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「モーツァルト!」(in 帝国劇場)
モーツァルト         中川晃教
コンスタンツェ        西田ひかる
ナンネール          高橋由美子
ヴァルトシュテッテン男爵夫人 久世星佳
コロレド大司教        山口祐一郎
レオポルド          市村正親

シカネーダー         吉野圭吾

オフィシャルサイト→

★素人の観劇感想です。それをご承知の上でお読み頂けると幸いです。
★それから、率直な感想を書いておりますが、それゆえ冷静な感想というよりはかなり私の好みに寄った感想です。ご容赦下さいませ。

モーツァルトの「人と成り」
★実はお恥ずかしながら私は音楽というもの全般に疎く(それならなんでミュなんか見てるんだ…ってツッコミはなしで(笑)私なりに好きなんですよ、えへ)特にクラシックだともうダメダメ。作曲者と曲名とがかみ合わないどころか曲名さえちんぷんかんぷん。やっぱり敷居が高いというイメージがあるんですね。
★そんな敷居の高さを引き下げて、こういったミュージカルが作れるんだ〜へ〜、という意識に変えてくれたのが「モーツァルト!」。ナンバーは難しいクラシックではなく、ポップスというか歌謡曲という感じで、「クラシック」「お堅い」というイメージはなく、大変見やすいミュージカルですね。
★ストーリーの焦点も、「いかにモーツァルトが素晴らしい作曲家であるか」という事ではなく、「一人の人間としての苦悩」というのを、ラフなタッチで描いていて、キャストも華やかだし、気負わずに見ることが出来る感じ。見た事のない人の為にTVとかで放映出来たら、新規のお客さんがもっと劇場に足を運びやすいんじゃないだろうか、って思うんだけど、版権だのあるだろうし、それは無理だよね。ただ折角見やすいミュなんだから一般の人の目に触れやすいと、いいんじゃないかな。

キャストと演出
★主演のアッキー(中川晃教)。勿論歌唱力に定評のある人でしたが、歌唱力とミュージカルでの演技とはまた別問題だと考えてるんですが、私の中のそういった石橋をど突くイメージをドカーンと払拭してくれました。アッキー素晴らしい!
★声量もあるし、声ものびやかで、耳に心地よい歌ですね。演技も若々しいはっちゃけっぷりが好感触。天衣無縫な感じがよく出ていました。舞台映えする感じですね。
★ラストのソロでは、アンサンブルがすごい迫力で歌ってる中で歌っても、全然負けていない。アンサンブルを押し返す程の迫力があり、「うわ〜すげーよ、アッキー!」とホント感動しました。人のパワーってすごい! それを思い知らされましたね。

★それにしても、モーツァルトの「すごい天才」なイメージが伝わって来なかったかな。これはアッキーの演技の問題云々ではなく、私個人の演出の受け止め方の違いかとも思うのですが、もっと「凡人には計り知れない天才っぷり」というのをドンと魅せておいて、その後「一人の人間であるモーツァルトの人となり・苦悩」ってのを出して、対比した落差が目に見えてあると、もっと良かったかな、と思いました。正直、色んなものが弱いなと感じましたね。

★演出は、全体的に「対比」が際立つともっと良かった。「天才」と「人間」、「芸術」と「娯楽」、「自由」と「周囲の束縛」、どれも対比が弱かったですね。それと「売り」が見えない。何を一番楽しめばいいのか、不案内だったというか。例えば「オペラ座〜」だったりするとシャンデリアが落ちる迫力、レミなら民衆の誰しもが抱える苦しみと希望、そいった「これを見てよ」ってのが伝わり難かったです。
★そりゃ、モーツァルトの苦悩=神童と呼ばれた過去・抑圧された環境・周囲の自分への無理解、そういった苦悩が、かの天才にもありましたよ〜という歌なり演出はあったけど、具体的に共感出来るエピソードが欲しかった。金を浪費するなら「金を浪費しました」の一言ではなく、「盛り場で酒をしこたま飲み、周囲にあおられて周囲にもふるまっちゃって一晩で100万円使っちゃった。えへ」とか。具体的な目に見えるエピソードが欲しかった。まあ、シカネーダーと盛り上がるシーンはあし、実際随所にそういう演出はあるんですが、パンチが弱いのかなあ?
★う〜ん。

★最後に他のキャストの方々について。
★コロレド司教役の祐さん……あんただけでも12,500円の価値がありました!(笑)日本にもこんなに素晴らしいミュージカル俳優がいるんだよ、と世界にいいたい俳優さんだ(私は何様だ(笑)とにかく皆、彼を見てくれ!
★モーツァルトのパパりん・市村さん。すごいすごいといい評判ばかりを聞くのですが、正直そんなに何が凄いのか私にはわからないです…。これは私の経験不足の所為かな…。ごめんなさい。
★姉の由美子ちゃん。だ…大好きだ! 声も歌も演技も…! ファンティーヌより、ナンネール役の彼女の方が好きかな〜。 ★西田ひかるさんコンスタンツェ。失礼だが意外にも良かった。歌はいいし、演技も良し。

★とまあ、だらだらと語ってしまいましたが、もっとミュージカルの敷居が下がるといいな、普段見ないお客さんも呼び込める筈、と思わせてくれるミュージカルでした。行っとけ。
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