ミュージカル 素人の遠吠え……ワオ〜ン

[etc.05]>>>> 2008/2/10

宝塚宙組
「黎明の風〜侍ジェントルマン 白洲次郎の挑戦〜」
「Passion 愛の旅」

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宝塚大劇場 2008年2月8日〜3月17日/東京宝塚劇場 2008年4月4日〜5月18日
作・演出/石田昌也(芝居)
演出/酒井澄夫 (ショー)


★はじまりました、宙組公演。
★ある意味話題の(笑)理事降臨公演で、その降臨行為について批判が多かったので、私も妙に身構えて観劇したのですが……。
★めちゃめちゃ良かった! 正直こんなに観劇後、うおーっとなれる公演とは思ってもみませんでした。お芝居もショーもとても良かった。演出の石田&草野、グッジョブだ、おまいら!

★お芝居の「黎明の風」は戦中戦後尽力した白洲次郎を主人公に据えた作品で、「愛と夢」を売りにしている宝塚からしたら政治色が強く、ちょっと異作であると言えなくもないけど、私は寧ろ、宝塚のようなエンターテイメントだからこそ、こうした史実を踏まえた作品をやるべきだとも思う。
★宝塚だからこそ華やかに、敷居をぐんと下げて政治を歴史を語れるはず。「黎明の風」は宝塚らしい華やかさを残しつつ、第二次大戦時の事を表現したほどよい作品に仕上がってると思う。全体をコメディタッチで描き出しつつ、敗戦、GHQ、憲法、日米問題……そういった重くなりがちなテーマを苦手意識を植え付けさせずに問題提起させ、白洲次郎が何を目指したか、そういった男気を見せてくれた興味深い作品に仕上がっている。

★その分、悪く言えばどっちつかずになってしまった……そう言えなくもないけど、それは見た人ひとりひとりが何に重きを置いて観劇しているかに過ぎず、印象をどう受けるかは十人十色。作品なって色んな意見があってしかるべき。
★ただ、宝塚という劇団のカラー上、あまり政治色の強い作品が敬遠されがち、という事実もある。ハードルを越える事は容易ではないけど、ハードルが嫌で排除してったらただ平坦な道があるだけになる。それってどうよ。

★まあとにかくいっぺん見とけ(笑)
★ラストシーンの白洲次郎の思いを訴えた日本の未来を目指すコーラスに、思わず涙腺緩むから!(笑)宙組のコーラスは宝だ。宙組大好きだっっっっっ!!

お芝居[黎明の風]
★宝塚の特徴である芝居での幕開きの華やかなプロローグ。実は私はこれが苦手なんだけど、今回のは良かった。意味もなくただ、導入として華やかにするだけのプロローグがマンネリ化してると思っているんだけど、今回はちゃんとテーマを表現したダンスと振りで、なおかつかっこいい。見て、おおっとなった。

★お芝居の「黎明の風」は何より演出が冴えていたかな。プロローグも然りだけど、場のつなぎ方とかがうまい。
★白洲次郎と正子のウエディングマーチをマッカーサーとジーンの結婚式につなげる事で、二対の人物らの好対照を印象づけているし、何より芝居が途切れない。宝塚は暗転で場面転換が多いのが嫌なんだけど、このシーンはうまい。芝居ややっぱり音楽やSE、照明、そういったもののアンサンブルだから、こういう風なシーンは演出萌えっことしては萌える(笑)

★それから今回は宙の娘役をどーんと見せ場で使ってるのがいい。そうそう、宙の娘役は歌がうまい子が沢山いるんすよ。それを持ち腐れさせず上手く芝居の中で使ってるのがうまい。あゆみさん、あおいちゃん、みき。すっごい良かった。エトワールのみきは本当に綺麗な歌声だったよ〜!

★その分男役の下級生たちがあまり大きな芝居が貰えずに煽りをくってしまった感じもしますが。まあ、たまには娘役もどーんと使って下さい。

★さてそれぞれのキャストについて。

イシちゃん:白洲次郎
★正直歌も声もこもりがちで好きな人ではなかったのだけど、やっぱ美人! 存在感がある! 足なげー! 芝居がうまい! ……つうワケで一気に御株が上がりましたカブアガール。
★最後のジーンズ姿は「ひいっ!」となるくらいカッコヨス。

タニ:マッカーサー
★やっぱりタニはこういう華やかな役作りが似合うね。マッカーサーっていうともっとどっしりしたイメージなものだけど、これはこれで良し。期待を裏切らないビジュアルで、そんだけでばっちりおかずになります。ウマー。

まちゃみ:ジーン
★タニとの並びがいいね。アメリカ人なのに大和撫子な感覚を持った人、という事で、ちょっと控えめな感じがよく出ていると思う。

たっちん:白洲正子(代役)
★たっちん愛してる!(それ感想とちがう!)
★ビジュアルのすっとしたハイカラなウメちゃん(本役)のイメージをどう払拭するかが課題だと思っていたけど、たっちんらしい役作りでさすが、と唸らせ(萌えさせ)られた! たっちん、可愛いよ、たっちん(笑)たっちん最大の武器である歌声はもう比類なきトキメキポインツ。ウメー。
★夫婦役であるイシちゃんとの掛け合いも、間からしてうまい。息が合って、正子の登場シーンあたりは笑える。
★それに正子の自立してる強気な部分と、次郎を影から支えて控えている部分がコントラストをつけて表現されてて良かった。銀橋での、憤慨した次郎を控えめにたしなめる「あなた、お声が」の演技が大好きだ! あれだけで、次郎との夫婦愛が表現されてる感じがしてさー。何気にたっちんの真骨頂だと想う。まあ、もうちょっと序盤のコミカルなシーンでおきゃんっぽさが出ると尚、コントラストがはっきりしていいけど。たっちんにおきゃんでハイカラな演技は……無理かorz

★うめちゃんが復帰したあかつきには、うめちゃん正子とたっちん和子との絡みが楽しみだ。

藤咲えりちゃん:吉田和子(代役)
★幕開きでのセリフでびっくりした! 緊張するだろうなあ。清楚だけどただいるだけの存在じゃなくて、ちゃんと存在感のある雰囲気が良かった。急遽の代役にもかかわらず、よく頑張った〜!

※おまけ:酔っ払い役のきみつんが大好きだ! 男役ダンスしてるとめちやめちゃ色気があるのに〜(笑)

ショー[Passion 愛の旅]
★良かった〜! 曲もダンスも構成もすっげよくて、もうめちゃめちゃ楽しかった。
★「大空へ」はなんか「スチュワーデス物語」を彷彿とさせたが(多分私だけ)、ノリノリで最高。かっこよくて楽しい!
★「砂漠の薔薇」はたっちんソロの「♪あ〜ああ〜」の雰囲気のあるシーンから、転調しての力強いアレンジが好きだ。引きで見るとすっごく迫力があってさ〜。振り付けもいい! うめちゃんのショーの復帰は……難しいのかなあ。代役のかちゃも頑張ってたけど、やっぱりうめちゃんで見たいよ〜。

★ああ〜今回の公演、めちゃめちゃツボにはまって最高だっっっっ! ……私はなんか、こう、賛否両論ある作品が大好きだな!(笑)食えない作品が大好きなんだよ! 「王家に捧ぐ歌」「炎にくちづけを」とか(笑)キムシンばっかだな!
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