★これは私の妄想の産物で、実在のキャストの方々、原作とは一切まったくちっとも関係ありません。あったように思えても気の所為です。

★これは、セ○ミュの、6代目マー○ュリー・若山愛○/11代目ジュ○ター・渡○舞/9代目ヴィー○ス・○部瑞貴を元にして書かれているような気がしないでもないですが、気の所為です。

★ちなみにキャラクターも私独自の解釈によって、かなりゆがめられて(「好きな女の子をいじめちゃう小学生(まこ)と誘い受けの小悪魔(亜美)」)おりますので、お読みになる方はそれを御理解の上で、自己責任の上でお願い致します。万一、これを読まれた方で「この二人のまこ亜美はこんなんじゃない!」とお思いになられる方がいらっしゃっても、済みませんが責任は負いかねます。

★飽く迄も一個人の妄想の産物であり、上記の方々とは一切無関係です。

※上記の事を全てご了承頂けた心の広い方のみ、ずずずいっとスクローリングして下さいまし。


飽く迄も、気の所為ですから!


あ、もちろん百合ですよ?





























Drive Me The Mercury


「あ〜〜〜〜食った食った〜〜ぁ!」
 あたしはめいっぱい食べまくって満腹になったお腹をさすりながら、部屋のドアを閉じた。
 ――ここはみちるさんの別荘。GWだから二泊三日でみんなで遊びに来てるんだけど……、みちるさんってホンット金持ちだよなぁ。別荘だって別荘。
 玄関フロアの天井はおっどろく程高いわ、リビングはむちゃくちゃ広いわ、ゲストルームはバス・トイレユニット完備でここはホテルかっつー造りでそれがゴロゴロ何部屋もあるし。
 あ〜、一度お金持ちに生まれてみたいね。
 ……って、いるんだっけ、ここにも一人“お金持ち”が。
「おい、ちょっと大丈夫?」
 あたしは、部屋に入るなり壁に手をついたままぐったりとしている、いくらするんだかあたしには見当もつかないデザイナーズマンションの住人で、おまけに「超」がつく程の天才少女――水野亜美――に呼びかけた。
「おい……」
 彼女の肩に手を置き、言葉を掛けようとした瞬間――
「まこちゃん……」
 彼女がもう限界と言わんばかりに、あたしの方に力なく倒れかかってきた。
「!」
 あたしは咄嗟に腕を伸ばし彼女を抱きかかえる。うっわ。
 …………。妙に真正面から抱き合っちゃったりなんかして、彼女の顔っていうか頭がすごく近くにあって、なんだかバツが悪い。近い。近いってば。
 う。変に顔が赤くなっちゃうじゃないか。
「ご、ごめんなさい」
「い、いや、いいんだけど……。ちょっとマジで大丈夫?」
「うん……」
 うん、とか言いつつ全然大丈夫そうじゃないんだけど。顔は真っ赤だし、手足に力は入ってないし、こりゃ相当辛どそうだな。
「歩ける? 取り敢えずベッドにでも座ってさ」
「ん。そうする……」
 消え入りそうな声でそう言って足を踏み出したけど、どうにも覚束ない足取りで。
 なんとかベッドに座らせ、その隣にあたしも腰を下ろして胡座をかく。
「しっかし、あんたが酔っぱらうなんて珍しいじゃん。いつもは未成年が飲酒なんてぇ〜なんて言ってる割にさ」
 そう言って冗談めかして顔を覗き込む。すると顔を真っ赤にしてさも辛そうに眉間にしわをよせている彼女と目が合い、またしてもバツが悪くなる。
 なんだよ、いっつもはさも優等生ですって感じでシャキっとしてるくせに、こんな風にすっかり弱っちゃってる姿を見てると、こっちの調子まで狂ってくるじゃないか。いつもはしっかりちゃっかりしてて、有無を言わせない強さがあるっていうか、言う事はズバっと言うし、あたしにも勉強しろだのなんだとお説教ばっかだけどさ。
 こうも辛そうにしてると、どうも気になるっていうか……心配? しちゃったりするじゃないか。
 あたしはぽりぽりと頭を掻いて、勢いよく立ち上がった。
「み、水でも持ってくるよ」
「…………」
 備え付けの冷蔵庫を開け、別荘に来る途中で買い込んだミネラルウォーターのペットボトルを手に取り、キャビネットの上に置かれたグラスを1つ取り上げる。横目でちらりと彼女の様子を窺うと、脚をベッドの外に投げ出したまま上半身を横たえ、猫みたいに丸くなっていた。
 彼女がぽつりと呟く。
「だって、まこちゃんが……」
 ん?
「あたしが、何?」
 ってか、何の話?
「まこちゃんが、私の事なんか全然眼中になくて、うさぎちゃんやはるかさんたちとばっかり話してるから……私……」
「はい?」
「だから、お酒……」
 言いながら彼女は身じろぎして更に小さく丸まる。……なんかホント猫みたい。三毛とかそんなんじゃなくてペルシャ猫とかそんな感じの。
「だから、飲み過ぎたっての? なんであたしがうさぎたちと話ししてると、あんたが酒を飲み過ぎるんだよ」
 さっぱり意味が分かんない。
 すると彼女が少し体を上向けて、恨みがましそうに見上げてきた。酔っている所為か少し目を潤ませたりして、それが赤い頬と相俟ってやけに艶かしくて……。
 …………………。なんだろう。なんだ今の感覚。なんかドキっとしたってゆーか、ひやっとしたってゆーか。……う〜ん。
「じゃあ、まこちゃんは私が他の皆とばっかり話してたら、どう? ……全然、気にならないの?」
「へ?」
 …………ちょっと考えてみる。
 ん〜〜〜?
「イマイチ分かんないけど。でもそれとこれとどう関係があるのさ。あんただってレイちゃんや美奈子ちゃんたちと盛り上がってたじゃないか。酒だって嫌々飲んでるようには見えなかったけど?」
「…………」
「なんだよ、言――」
「見てたの?」
「へ?」
「私の事、見てくれて……たんだ」
 う。
 なんだ、その目は。なんか……嬉しそう? なのか?
「そりゃ見るだろ。いっつも飲まない人間が、1杯どころか3杯も飲んでりゃ――」
 ……って何杯飲んだか数えるくらい、あたしもよく見てんじゃん。って自分でツッコんでる場合じゃないんだけど。ってか別にわざわざ見てたんじゃなくて、あくまでも視界に入ってたってだけで、わざわざ見てたんじゃ……!
「と、とにかく水でも飲みなって。ほら、コレ飲んで」
 あたしは彼女の目の前に水を注いだグラスをぐいっと差し出す。
 すると彼女は子供みたいにいやいや、と首を振って。
「起きあがれないの。起きたらもっと気持ち悪くなりそう……だから」
 は〜〜〜〜ぁ?
「でも、飲んだ方がいいって。じゃ、ペットボトルから直接飲むか?」
「…………」
「ほら、こぼしちゃってもいいからさ。ペットボ――」
「まこちゃんが」
 ん?
「まこちゃんが、飲ませて?」
「…………」
「…………」
 ………………………………。
「え――――と? …………あたしが?」
 こくりと頷く彼女。
 あたしは両手の、水の入ったグラスとペットボトルを見下ろす。
 の、飲ませりゃいいんだよな。うん。
 取り敢えずグラスをサイドボードに置いて、ペットボトルを手にして彼女の横に座る。上を向いた彼女の口にペットボトルを――
「それじゃこぼれちゃうわ」
 はい。そんな気がしてました。
 ――分かってたけど、それ以外にどうせいっちゅうんだ。
 あたしは視線を彼女に戻し、彼女の表情を窺った。顔もシャツの襟元からのぞく鎖骨の辺りもほんのりと赤くて、視線はとろりとしている。それがなんだか……その、妙に、…………。
「じゃ、どうすれば――」
「口で、飲ませて?」
 間髪入れずに答えた言葉に、あたしはそのまま凍り付く。
 ……マーキュリーに変身していなくても「シャイン・アクア・イリュージョン」って使えたんだ。へー……。
 あたしは体を凍り付かせたまま、視線を外す事も出来ず、目だけで彼女を見下ろす。
 ナンデスカ、その訴える目は。
「……嫌?」
「え……。いや……嫌とかそういう……じゃなくて……」
 そうだ。嫌とかじゃないけど――ないけど。
「お願い。お水飲ませて?」
「はい……」
 って、あたし何応えてんだ――――!!!
 途端にあたしの心臓がばくばく言い始める。
 いや、彼女の目がね、有無を言わせないっていうか、いや、なんて言うか「しろ〜しろ〜」って訴えてて、断れないっていうか。――ってあたし誰に言い訳してんだよ。
 心臓がばくばくばくばく言う。――ばくばくばくばく、ばくばくばくばく。
 彼女の手が控えめにあたしのシャツの裾を掴んで、明らかに催促する。
 あーもーこうなりゃヤケだ。女に二言はない。するって言ったらするんだ!
 あたしは口に半分程水を含み、ペットボトルをサイドボードにがっと置いて、彼女の上に覆い被さる。髪が頬にかかる。そんなの無視して彼女にキス――じゃない、何これ、くくく口移しっていうの? うっわ、どっちもマズイっちゅーの! とにかく唇を押し付けた。
 ……なんか柔らかい。
 いや、気にするな。とにかく今は水だ水。
 あたしがゆっくりと唇を開くと、それに合わせて彼女も開く。――ゆっくりと。重力に引かれて口の中の水が彼女の中へ流れていく。
 なんか、変な感覚。
 彼女の喉元が小さくこくりと鳴る。よし……飲んだな。
 そそくさとあたしは唇を離して起き上がり、そうしながら目を開くと、彼女はまだけだる気に瞳を伏せたままで、なぜだかそのまま視線を逸らせなくなった。彼女の顔の脇に両手を突いたまま、彼女を見つめる。
 ……こんなに間近で顔見たの、初めてかも。唇……結構厚くていかにもやわらかそう、だよな。
 なんか、全然嫌じゃないかも。なんか、むしろこのままやめちゃう方がもったいない……なんて。――ってあたし何考えて――
 え?
 するり、と彼女の腕があたしの首に巻き付いた。
「亜……」
「まこちゃん、ありがとう……」
「……」
「……嬉しい」
 やんわりと抱き寄せられる。
「……亜美……」
 何故か、あっさりとあたしの腕の力が抜ける。彼女との距離が近くなる。
 ゆっくりと唇が近付く。
「…………」


「まこちゃ〜ん、はるかさんが2000年物のシャトーなんとかっていうワイン空けるから、飲み直さないかって〜」

 ガチャ。
 0.05秒であたしは起き上がる。
「あれ、まこちゃんと……亜美ちゃん、何してんの?」
 あたしは腕を振り上げて体操し始める。オイッチニ、サン、シ!
 横目で美奈子ちゃんを見ると、にへっと薄笑いを浮かべた顔で立ち尽くしている。顔が赤いから酔ってるんだろうけど……。
「あ、あ、いや、亜美ちゃんが目にゴミが入ったっていうからさ、取ってあげてたんだよ!」
 体操と全然関係ないじゃん!
「え〜そぉんな風には見えなかったけどぉ〜? やっだ。実は襲おうとしてたりして〜」
「な、何言ってんだ!」
 あたしは心臓が飛び出るかと思う程驚いて、美奈子ちゃんを睨む。
 襲ってたんじゃなくて、取って食われそうになってたんだよ!!!
「と、とにかく何だっけ? ワイン? いいよ、飲もう飲もう。今日は飲み明かそう! イエ――――!」
「おう! イエ――――!」
 さすがはやっぱり美奈子ちゃん、妙な悪ノリの良さは長所かはたまた短所か。
 とにかくあたしは振り向きもしないでさっさと部屋を出る。ドアを閉じる時にベッドの上の彼女をちらりと見ると一瞬目が合い、あっさりと逸らされた瞳は、北極の海の水よりも――冷たかった。
 またしても変身せずに、彼女はあたしを……凍てつかせた。



fin.








POSTSCRIPT
あとがき
★え〜っと、え〜っと。わ〜〜〜〜〜〜〜ん。
★やっちまいました……………………。ファンの方、済みません。ごめんなさい! いやホント謝っても謝りきれません。私の妄想、ゆがんでるね。フレームゆがみまくってるね。
★でも楽しかったで――す(死)コラコラ。

★しかし、生モノって……うわわ。私もついに生モノ・エネミーラインを越えてしまった気がします。己の中の敵に負けてしまいました。萌えという魔物に(死)

★まこちゃんがやたら口が悪いのは、セラ○ュでの口の悪さに起因しております。最初は辟易したけど、某舞ちゃんの可愛さによって、あばたがえくぼになりました(笑)




Waterfall//Saku Takano
Since September 2003